70%健康マガジン:辻野先生の回答

ココの情報は100%の健康をまったく保証しませんが、ボクがそうである
ように70%健康になるためのヒントが見つかるかもしれません。

<< August 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

<< 六十七、「インフルエンザ」について辻野先生の回答 | TOP | 六十九、「二日酔い」について辻野先生の回答 >>

2009.03.09 Monday

六十八、「潔癖症」について辻野先生の回答

---------------------------------------------------------------------
■今週のお題:「潔癖症は問題がありますか?」
---------------------------------------------------------------------

電車の車内広告を見たら、新型インフルエンザに関する注意のポスターが張られていることに気がつきました。

そこには人に向かって咳をしない、咳の症状が出たらマスクをするなど、咳をするときのマナーがいくつか書かれています。

それが、先週お届けしたの「インフルエンザ」の話とことごとく対照的。果たして正しい知識はどちらなのか?

それは、聡明なる読者のみなさまの判断にゆだねます。これは『70%健康マガジン』なので。

今回は先週ちょっぴり話題にあがった、「潔癖」について、つっちーと話をしてみました。

- * - * - * - * - * - * - * - * - * - * - * -

先週、街中でマスクをしている日本人は潔癖すぎるという話をしたよね。だから今回は、潔癖症をテーマにしてみようと思うんだけど。

「日本人は潔癖な人が多いと思うで。そういう人に配慮したグッズがいたるところにあるしな」

マスク以外にも?

「たとえば公衆トイレはもちろん、自宅でも用をたすときに、必ず便座を拭く人っておるやろ?」

いるいる。でも、ボクもたまに拭くけどね。

「それはどうして拭くの?」

俗に言う「おつり」というの? なんだか座るべき場所に茶色く濁った水滴が付いてたりすると、座る前にまず便座を拭くね。

「それは潔癖とは関係ない気もするが…。潔癖症の人はビジュアル的に何の問題もなくても当然、拭くねん」

そうなの?

「たとえば便座を拭く用の除菌液が付いてることってあるやろ? トイレットペーパーでさっとひと拭きするためのやつとかや」

ああ、あるね。最近は見ないけど、ペーパー式の便座カバーがあって、事後にそのまま流せるなんてのもあったわ。

「電車の吊り革も最近は抗菌になってるらしいやん」

そうそう。ちゃんと「これは抗菌処理がされています」って注意書きがあるよ。

「果ては公園の砂場でも抗菌の砂なんてのが使われてるらしいで」

マジで? それは行き過ぎてる感があるね。

「潔癖な人は誰かが使ったお箸すら使われへん。自分は潔癖症と違うと思ってる人でも、大半の人は歯ブラシの共有はでけんしな」

それはボクのおもしろエピソードじゃないですか。

いちおう解説しておくと、昔つっちーの家に泊まりで遊びに行ったときのこと。ごはんをごちそうになって、いい感じにお酒も飲んだので歯を磨きたくなったんですよ。でも、歯ブラシなんて持参してない。

だから、洗面台にあった適当な歯ブラシを使った。

そうしたらもう、みんなから大ブーイングですよ。「ええ、なんで!?」と思いましたが、その後いろんな人に話を聞くと、恋人同士でも同じ歯ブラシは使えないみたいですね。

「そう思うとオレも潔癖かもしれんけどな(笑)。思うんやけど、せきをしたらウィルスが何匹飛びますとか、ウィルスは空気感染しますとか。花粉はどこにでも付いてきますとか、細菌やカビはこんなふうに繁殖しますとか…。いろんな情報があふれているやん」

あるある。とても覚えきれないよ。

「花粉やカビは目に見えるものもあるが、ともかく、目に見えないものに対する恐怖感のようなものが煽られて、過剰な防衛をしとるのとちゃうんかな?」

まぁ、おっしゃるとおりかもしれませんな。

「手に付いた大腸菌を死滅させようと思ったら、10分ぐらいかけてしっかり洗わんとあかんねん。手術前の医者がブラシも使ってものすごく手洗いしてるのってわかるやろ?」

うん、ドラマとか映画でもたまに見るシーンだね。

「そう考えれば分かると思うけど、便座をさっと拭いて除菌しても、抗菌の道具を使っても、滅菌にはならんねん」

めっきん? 殺菌の間違いじゃないの?

「殺菌は菌を殺すが必ずしも全滅させるという意味とちゃうねん。滅菌は、は完全に全滅させることを意味するんよ。人は抗菌や除菌とうたわれていれば安心するけど、実際は必ず菌は残ってるもんやねん」

そうなんだ。じゃ、しっかり滅菌できるように技術を進歩させないとね。

「逆やねん。ホンマの抗菌グッズなんてものが世の中にあふれたら、人間は生きていかれんようになるで」

え、そうなの? 菌なんてばっちいじゃん。

「人間と菌は共存共栄の関係や。滅菌をするということは、ビフィズス菌などの善玉菌まで殺すということになる。そうなると、腸内細菌が不足して消化ができなくなり、病気になってまうで。マジメな話としてな」

なるほど。そうかもしれないね。

じゃあなんで、こんな抗菌ブームになってしまったんだろう?

「そうは言っても、公衆衛生がしっかりせんと赤痢なんかが流行するからや。そのへんのからみとちゃう?」

ああ、確かに。身近に「赤痢にかかっちゃってさぁ」なんて言う人いないもんね。なかなか。

「天然痘なんて、人間の手で完全に撲滅されとるからな。すごいと言えばすごいで」

そうなんだ。例によってwikiで調べてみました。

【天然痘】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%97%98%E7%98%A1

おおお、これはすごい。時間があればぜひ読んでください。人類は有史以前から天然痘と戦い、1977年にソマリアの青年が感染したのを最後に根絶。

人類が根絶した感染症として唯一のものらしいです。

「こういう歴史があるから菌=病気・死というイメージが定着して、公衆衛生の概念が進み過ぎたんとちゃうかな」

そういえば小学生のころ、「○○(誰かの名前)菌!」なんてエンガチョ遊び(と表現するのか?)があったなぁ。

つまり、その年齢の頃には菌=悪というイメージがあったんだろうね。誰かに教わって。

「納豆やチーズにも菌はいるのになぁ」

そうそう。だから、納豆が腐ったものだとか、チーズがカビだと知ったときは軽いショックを受けたよね。

「菌=悪者というイメージの一番の弊害は、やっぱ食の循環崩壊にあると思うねん」

どういうこと?

「昭和初期までの日本は、こんな感じやった。

◆野菜→食べる→残飯・うんち→肥だめ・肥料→野菜…。

このサイクルなんて、世界に誇れる超★エコや」

なるほど。超★エコね。確かにめちゃめちゃ短いサイクルで循環してるもんね。

「ところが今はこうや。

◆自然→窒素・リン・カリウムなどの化学肥料→野菜→食べる
→残飯・うんち→燃やす・下水…。

完全に一方向性やねん」

確かに循環してないね。

「化学肥料と言っても原料は自然由来やから、自然は搾取される一方やん。現代というのは、ぎょう虫や食中毒対策で超★エコシステムが崩壊してしまった時代やねん」

公衆衛生が行きすぎた結果かもしれないね。確かに、ぎょう虫をおなかの中で飼うのはうれしくないけど。

「公衆衛生が良くなったことはとても素晴らしいことや。しかし、なんでもかんでも抗菌・殺菌で人間のカラダはかえって弱くなったとオレは思ってる」

そうかもしれないね。

「さらに、ここのところ消臭スプレーもはやってるやろ。臭いがついたらシュッシュッシュッて。菌を殺すほどの化学薬品をまき散らすなんて、我々の体内外で共存している優良な菌くんたちにはとんでもなく危険やで」

と、辻野先生は回答しましたとさ。

---------------------------------------------------------------------
■やちきの見解
---------------------------------------------------------------------

潔癖症の話のつもりが、公衆衛生なんて大上段の話に発展するなんて思いませんでした。

それにしても、菌がそんなに大事なんてなぁ。

実際、すごく清潔な環境の子どもと不潔な環境の子どもだったら、なぜか不潔な環境の子のほうがアレルギーとかない気がするし。

菌のない環境だと、カラダが弱くなるというのは意外と本当かも。

マンガとかドラマの影響で妙な偏見を植え付けられてるだけかもしれませんが、ちょっと考えさせられてしまいますね。


つづく

この記事のトラックバックURL

トラックバック機能は終了しました。

トラックバック

▲top